2015年3月30日
星空公団
星空公団では、環境省が25年間にわたって続けてきた全国星空継続観察が休止となることから、 その代わりとなる星空公団独自の暫定調査を実施いたしました。 これは、これまで25年間連続してきた夜空の明るさのデータがいったん途切れることを防ぎ、 継続的なデータの蓄積につなげていくための試みとして、 全国のみなさまにデータ提供の協力を呼びかけ、実施したものです。
全国星空継続観察は、星空観察という身近な方法で大気環境の調査を行い、 大気環境保全に関する国民の意識を高めることを目的として、昭和63年より実施されてきた事業です。 この事業では、肉眼や双眼鏡を用いて星空の見え方の違いを比較する方法や、 夜空の写真から背景の明るさを測定する方法で夜空の明るさが継続的に調査されてきました。 調査には全国の多くの団体が参加し、 わたしたちを取り巻く大気や星空といった自然環境に目を向ける非常に効果的な活動となっていました。 また、測定された夜空の明るさは、上空に漏れ出した地上の照明光が、大気中の水蒸気やチリ、 黄砂などによって散乱された結果であり、大気環境の保全のみならず、 夜間照明の効率的な利用を考える上でも重要なデータとなっています。
しかしながら、この全国星空継続観察については事業仕分けにより予算がカットされ、 またデータの集計を行っていた全国星空継続観察システムの運用についても平成24年度末をもって休止されました。 それに伴い、平成25年夏期以降は当面の間、この事業が行われないこととなり、 25年間にわたって連続してきたデータがいったん途切れる恐れが生じていました。
星空公団では、全国星空継続観察で行われてきた調査のうち特に継続が必要と思われる「写真撮影による調査」について、全国のみなさまに協力を呼びかけ、夏期は31地点で、冬期は37地点で調査を実施し、分析を行いました。従来と同一の方法で継続的な調査を行うことで、継続的なデータ蓄積を実現するともに、全国一斉に夜空の明るさを測定することで、日本の夜空の現状が明らかになっています。分析結果については、添付の報告書でご確認いただけるとともに、ウェブサイトにおいても地図上で確認ができるようになっております。
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