2012年11月6日
星空公団
星空公団では、山梨県立科学館のご協力のもと、天体観測室に設置しているカメラを使用して、 第14回ライトダウン甲府バレー2012(*1)による夜空の明るさの変化を測定しました。 2012年11月1日から3日の夜空の明るさの変化から、 ライトダウンによって甲府盆地の夜空の明るさが普段の6割から7割程度に減少していることがわかりました(*2)。 夜空の明るさは気象条件によって日々変化していますが、 今回の結果はその変化の幅よりもさらに夜空が暗くなっており、ライトダウンの有効性が示されたことになります。
夜空の明るさの測定には、山梨県立科学館天体観測室に設置している自動測定カメラを使用しました。 このカメラは天候に関係なく毎晩15分おきに夜空を撮影しており、 撮影された画像を使って夜空の明るさを数値化しています。 撮影データの記録には、カメラの撮影情報をほぼ加工なく出力できる RAW 形式を採用しています。 また、カメラの感度は、撮影された恒星の明るさを利用して較正しています。
ライトダウンの行われた2012年11月3日と、 ライトダウンの行われていない11月1日および2日の夜空の明るさの測定結果を添付資料に示します。 11月1日と2日では気象条件が若干異なるため、同じ時刻でも夜空の明るさは多少変化しています。 また、夜半過ぎには月明かりの影響で夜空が明るくなっています。一方で11月3日の結果を見ると、 1日と2日との変化量よりもさらに夜空が暗くなっていることがわかります。 特にライトダウンが行われた11月3日20時から21時の明るさは、11月1日と比較して0.6等級暗く(42%減少)、 11月2日と比較しても0.4等級暗く(31%減少)なっていたことが分かります。 今回の調査では、不要な照明を消すライトダウンによって夜空が暗くなる効果が測定できました。 ライトダウンによる夜空の明るさの変化を測定した例は非常に少なく、 ライトダウンの有効性を示す貴重なデータといえます。
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