2011年12月28日
星空公団
いつもより星の輝きがきわだつお正月、気持ちを新たに星を見上げてみませんか。 とくに正月三が日はふだんよりも夜空が暗く星がきれいに見えそうです。 星空公団が2年間以上にわたり続けている夜空の明るさ調査のデータからも、 1月の始めは年間を通して最も夜空が暗くなることがわかってきました。 これは年末年始の休暇など世の中の経済活動と深く関係しています。
星空公団では過去のデータの傾向をもとに、2012年のお正月三が日の夜空の明るさを予想しました。 もしお天気が快晴で、暗いところに目が慣れてきた場合にはどのような夜空が見えるのかを、 「見える星の数」で表しています。各地の予想をご覧ください。
実際にはもっとよく見えるかもしれませんし、予想と違うかもしれません。 震災以降、無駄な照明が減っている効果もわかるかもしれません。 ぜひ実際の夜空の様子を自分の目で、自分のカメラで確かめてみてください。
2012年も星空を楽しみながら、夜空を明るくしている原因や、電気エネルギーの使われ方など、 身近な星空環境を改めて見つめ直そうと、私たちは考えます。
1月1日は上弦です。宵の空に半分の形の月が輝きます。月は深夜に沈みます。 それから翌朝の薄明を迎えるまでが、最も暗い夜空を楽しめる時間帯です。 9日の満月まで日に日に月は満ちてきます。
夕方の南西の空やや低いところでひときわ明るく輝いているのが宵の明星・金星です。 金星と木星は光害の影響が強い都会のまん中でもよく見えます。 日本の探査機「あかつき」がめざしている惑星です。
木星は宵の南の空高く、とにかく目を引く存在です。 1月2日、3日は月と木星が並んで輝き、みごとな眺めとなるでしょう。
オリオン座が空高く見える季節です。 三ツ星とそれを囲む主要な星の配列は都会でも確認できますが、 光害の少ないところではオリオン星雲の光芒が肉眼でもわかります。
木星の東よりに肉眼でもわかるコンパクトな星の群がりがあります。 すばるという和名で親しまれているプレアデス星団です。 全国星空継続観察では双眼鏡ですばるの星の見え方を調べます。
すばるのほかにも、お正月の夜空には双眼鏡での見どころがいろいろあります。 アンドロメダ銀河M31、おうし座のヒヤデス星団、オリオン座の名所であるオリオン星雲M42、 ふたご座の散開星団M35、かに座のプレセペ星団M44、などなど。夜空の暗さによって見え方も違ってきます。
暗いところによく目を慣らして、ペルセウス座付近、ふたご座付近、 いっかくじゅう座付近の天の川が肉眼で見えるかどうかチェックしましょう。 夏空の天の川に比べると淡い存在ですが、空気の透明度によっては都市部近郊でも写真に写ることがあります。
真南の方角の地平線ぎりぎりの低いところにりゅうこつ座のカノープスという明るい星が顔を出すことがあります。 見ると長生きすると言われている星です。東京ではお正月三が日は23時20分頃にチャンス到来です。
1月4日もしくは5日の明け方の空に注目すれば流れ星が見られるかもしれません。 明け方に流星が増えてくる流星群ですが、 活動のピークの時刻はあいにく4日の夕方にあたる年なので出現はあまり多くない可能性があります。 夜空が暗い場所ほど見られる流星の数は増えます。
環境省などが参加を呼びかけてきた恒例の「全国星空継続観察」の冬の観察期間は月明りの影響の少ない 1月14日(土)〜1月27日(金)です。肉眼や双眼鏡で星空を観察して報告します。 ウェブページから参加登録をしておきましょう。
デジタル一眼カメラで夜空を撮影して投稿するだけで、夜空の明るさを誰でも正確に無料で測ることができます。 データの投稿を受付中です。カメラをお持ちの方はぜひウェブページをご覧ください。
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